教えて、愛を! 〜炎の天使、氷の天使〜 後編 翌朝。アスカは生まれ変わったような気分で目を覚ました。 夢のことは漠然としかおぼえていなかったが、その時の気持ち はまだアスカの中に残っていた。アスカにはそれがまっさらに 美しく正しいものとして感じられていた。 シャワーを浴び、服を着て、車を走らせながら、アスカはず っと考え込んでいた。レイの家にまでまっすぐ行くつもりだっ たが、また花屋で花を買おうとアスカは道をそれた。 そこからアスカは全速で車を飛ばした。そして再びレイの部 屋のドアの前に、アスカはそわそわしながら立っていた、9時 56分。 レイは引きつったような笑みを浮かべながら花を受け取ると、 アスカを部屋に招き入れた。 「少し待ってて」 そう言ってレイは寝室の扉の向こうに消えた。そして、戻っ てきた。 「ダメ!ダメよ、ダメ!」 アスカが首を横に振った。 「言ったでしょ、制服は不可って!制服は学校に行く時のもの!」 アスカは洋服バッグを差し出す。 「レイは他の服を持ってないって思ったから、持ってきてあげ たわ。だいじょうぶ、足りない服はこれから買うんだから」 レイが再び部屋に姿を見せた時、アスカは思わず低い口笛を 吹いた。 ミントグリーンのデニムのミニスカート、緑と青の水玉模様 の白いブラウス、膝まである白いソックス、そしていつもの黒 い靴。 「あれ、ペンダントしてるの?」 アスカが訊く。 レイが元気よくうなずく。 ためらいを呑み込んで、アスカは前に進み出た。 「これじゃ見えないじゃないの。シャツのボタンを上まで留め すぎよ。いい?」 アスカの声と指が震えた。レイのブラウスの上のボタンを3 つ、アスカが外してやると、青い髪の少女の胸元にペンダント が見えた。 レイの息づかいが早くなっていたことに、アスカは気づいた。 レイの手をとって、アスカが鏡の前に連れて行く。エメラル ドとターコイズのペンダントが光を反射してキラリと輝く。 「あたしより、似合ってるじゃん」 アスカが優しく言った。 「この服、すてきね、アスカ。とてもきれいだし、着心地もい いし」 こころよさげにレイが言った。 また迫ってきた白昼夢を、アスカは振り払った。 「どういたしまし、て」 思わず言葉がどもる。 「きょう買うものは同じくらいか、それよりもっと似合うはず よ」 *** 二人はオープンマーケットにやって来た。レイがけっこうい い服のセンスを持っていることにアスカは気づいた。しかしア スカはその青い髪の少女がもっと大胆で露出度の高い服に目を 向けるようにしむけようとしていた。でもそううまくいくこと はあまりなかった。 幸せな二人に、時間はあっという間に過ぎていく。二人とも 足が棒になったが、真剣に店を回っていった。靴に、スカート に、ドレスに、ジャケットに、ブラウスに、ベルト…。 レイはまた別の店に足を向けた。そこで売られているものを 目にして、レイはハッとした。 「…こんなのも、要るの?」 小さな声でためらうレイ。 その問いかけに対する意地悪な答えが、山のようにアスカの 脳裏に浮かび上がった。しかしそれを必死に押さえ込んで、ア スカは何も言わずにレイをブティックの…下着専門店の中に押 し込んだ。 「すごい種類…」 レイは芽生えかけた好奇心に溢れながら店内を見回した。 「こんなにたくさん種類があるなんて、ちっとも知らなかった。 何から、どこから見ていけばいい?」 「好きなようにすればいいんだけど」 そう言いながらアスカは、ラックからハンガーに掛かった1 セットを手にとった。 「レイには赤がサイコーにお似合いよ」 レイの顔もちょうど同じく真っ赤。 「そんなこと…」 「…じゃあ確認すればいいわよ。着てみてっ」 諦めのため息をついて、レイはやっと受け入れた。下着一式 のかかったハンガーを受け取って、レイは試着室に入っていっ た。 1分後、レイがカーテンから顔を出した。 「どう?」 わざと焦れったそうな顔をして、アスカが訊く。 「出てきて見せてよ」 「だ、だって、ここ、人目があるし…」 レイが慌てながら囁く。 「ね、アスカが中に入って見てくれる?お願い」 あたりをちらっと確認してから、アスカはカーテンの中に入 り込んだ。そして、そのまま凝視してしまった。自分でもどう しようもなかった。レイの身体を舐めるように見つめて、はっ と我に返った。 「ちょ、ちょ、っと、その、まま、まっ、てて、すぐ、もど、 るか、ら」 あわてながらそう言って、アスカは試着室を飛び出して、そ のまま近くの化粧室に駆け込んでいった。 アスカが選んだ真っ赤なランジェリーのセットは、あまりに も、レイに似合いすぎていた。アスカが目を閉じると、美しく 青い髪の少女が、面積の小さな、綿のランジェリーとストッキ ング姿で無邪気に立っている姿が浮かんできた。 今まで感じたこともないほどに強烈な欲望が、アスカの全身 に、とりわけ敏感な場所に押し寄せてきていた。すぐにでも悦 楽を求めたくて疼く身体を抱えて、アスカは自分自身と戦った。 ともかくも、アスカは自分で自分の原初的な欲望を抑制するだ けの意志力があることを再認識はできた。 『何やってんのよ、レイは女の子じゃないの!あたしは女の子 同士なんてシュミはないんだから。そりゃあ、レイのことは嫌 いじゃないけど、そう、でも、好きとかいうのとは違って…』 ホントにそうなの、アスカ? アスカは無言で自問自答した。 ううん。違うわ。認めなきゃ、アスカ。初めて会ったあの日 から、あの「友達」がずっとあなたをイライラさせてきたのは、 あなたがずっとレイに心を惹かれてきたから。 そして、今…。 アスカは腹を立てて、思考の連鎖を断ち切った。 レイはどうしてるだろう、ずっと試着室の中で、何かあった のかと不安がっているかも。 赤毛の少女は気を落ち着けて、友達を置き去りにしてしまっ たところに急いで戻った。 「まだそこにいるの?優等生」 不安げに声をかけるアスカ。 「うん、もう少しで出ようかと思ってた。どこに行ってたの?」 「あ、その、…ちょっとトイレに」 アスカはごまかす。 「そう、そんなに焦ってたんだ」 アスカの顔は真っ赤を通り越して紫色になった。その言葉に、 アスカは返事ができなかった。 「アスカ?」 「何?」 「アスカはこの下着、どう思う?」 レイがそう訊きながら忍び笑いをこらえていることを、アス カはハッキリ悟った。…それとも…。 「すごく、似合ってる」 アスカはおっかなびっくり答えた。 「着心地もとってもいいの」 レイが明かす。 「柔らかくて、ヒンヤリしてる生地が当たって、私のあそ…」 「…あ、あのねっ」 慌ててアスカが押しとどめた。 お願いだから、これ以上あたしを刺激しないでっ。 心の中でアスカは懇願した。 「とりあえず今はこの1セットでいいでしょ。後でまた買って もいいんだし」 青い髪の少女は試着室を出た。真っ赤なレースの下着はすで にハンガーに戻されていた。 「とりあえずね。わかった」 *** 少女たちはブティックを出て、再びオープンマーケット廻り を続けた。 「残りはあと二つ」 アスカが言った。 「二つって?」 「宝石と、香水」 「宝石?でも、私…」 「いいんだって、優等生。あたしがおごるってあげる。行けば 何かいいものが見つかるから」 *** 二人は一時間近くも店内を探し回った。 「これ、気に入った。これ欲しい」 レイが美しい翡翠のイヤリングが入ったボックスを手にして、 はっきりと言った。 「私、耳にピアスする」 「ほんとに?」 「うん。アスカのイヤリング、いつもきれいだなって思ってた の。私もイヤリング、してみたい。お願い、ちょっと待ってて。 気が変わらないうちに、ピアスしてもらってくるから」 レイって、変わったわ。 アスカはレイを待ちながらそう思った。 レイはあたしを信頼してくれてる。でも、純粋で繊細すぎる。 レイのことをさっきみたいに考えちゃダメ。レイがどれだけあ たしを動揺させてるか、本人はわかってないんだもの。あたし はレイの友達…そう、ただの友達でしかないのよ。レイだって それ以上のことを望んでなんかいない。そんなこと求める権利 なんか、あたしには無い…。 「できたわ!」 嬉しげに叫びながら、レイは元気よくアスカの座っていると ころに戻ってきた。レイは顔の片側を見せ、それから反対側を 見せて、アスカに両耳の翡翠のイヤリングを見せた。 「すごく似合ってる」 確信を持って、アスカが言った。 「ありがとう」 輝くようなレイの微笑みが、アスカにはまぶしかった。 「アスカのおかげよ。あともう一軒あるのよね」 「あ、うん。ついてきて」 アスカが手招きした。二人は香水専門店に足を向けた。 *** 「ここもたくさん種類があるね」 レイが感心して言う。 「うん、でもね、ほとんどは安物なの。ほら、ほとんどの香水 はアルコールベースなんだけど、いい品が欲しい人はそんなの 見向きもしないって。狙いは、オイルベースの香水よ。それは、 まとめてこっちの方にあるの」 「きっちり売り場が分かれてるのね」 「だからこの店が気に入ってるの」 嬉しそうにアスカが言った。 「じゃあ、ちょっと試してみましょ」 「試すって?」 「そうよ。手首にちょっと付けてみて」 「でも、アスカはどんな香りなのか知ってるんでしょう?」 レイが言う。 「自分に付けたらどう香るかは知ってるわ。でもレイに付ける とまた違ってくるのよ」 「そういうものなの?」 「人それぞれ、付けた香水とは違った化学作用を起こすの。じ ゃあ、いくつかやってみて。ほら」 レイはそれほど迷わなかった。いくつかの香水瓶の香りをか いで、レイは気に入ったものを一つ見つけると、腕にひと吹き してみた。その香りを確認すると、レイはニッコリして、腕を アスカに差し出した。 「アスカは、どう思う?」 その香りをかいでみるアスカ。 「いい香り。海辺のそよ風みたいね」 何か心が落ち着いたようにアスカは言った。 「ホッとする感じ」 「じゃあ」 レイは瓶を使った。 「こっちはどう?」 「爽やかで、かなり鮮やかな香りね。なんだか春の感じ」 ほどなく、レイはほとんどのオイルベースの香水を調べて、 そのうち六つを試していた。そしてレイはもう一つ、気に入っ た瓶を見つけた。 「これも良さそう」 レイはアスカに告げる。 「じゃあ、試してみたら」 アスカが勧める。 「もう、付けるところがないわ」 そう言って、レイは少し考えてみた。 「そうだ、こうして」 とても慎重に、その顔にちょっぴり笑みを浮かべつつ、レイ は中指と人差し指の先を香水で濡らした。その指を、レイは胸 元に当てて、シャツの下に指が見えなくなるまでゆっくりと下 に滑らせていった。そしてレイはボトルを元に戻した。 「これで最後。でも自分じゃ香りがわからないわ。アスカ、ど んな感じか教えてくれる?」 アスカは顔面蒼白だった。叫び出しそうになった。 レイってば、なんでそんなことをあたしに?でも、レイには たぶん他意なんか無い。レイはただ、あたしのアドバイスが欲 しいだけ、ただ、それだけ。 アスカはゴクッと息を呑んで、レイの胸元に顔を近づけると、 深く息を吸った。あやうく、アスカは恍惚のあまり卒倒しそう になった。 「これしかないわ」 急に喉が乾いてアスカの声がかすれた。 「誘惑されそうな、刺激的な香り。この香水をつけたら、みん なレイに悩殺されちゃう」 「落札」 得意そうにレイが言った。 *** レイのアパートに戻る車の中、運転するアスカは奇妙なほど 静かだった。 何をどう話せばいいのかわからなくなっていた。レイの方に チラッと目をやると、不自然なほどのタイミングでレイが必ず アスカの方を見ているので、アスカは赤面し慌てて目をそらし てしまう。 やっと車がレイの家の前に着いた。買い物袋がたくさんあっ たので、アスカも友人を手伝ってアパートの室内に運び込んだ。 レイがここに置いてと言ったところに袋を置くと、アスカは駆 け出さんばかりに玄関から出て行こうとした。 「アスカ?」 困惑しきった声でレイが呼び止める。 赤毛の少女は、早くここを出たかった。逃げたかった。あま りに美しい友達のもとから逃げ出したかった。だが、レイの思 いつめた声はあまりに強かった。アスカはその声に足を止め、 そちらに顔を向けざるを得なかった。 「な、何なの、優等生?」 「よければ、私アスカに見せたいものがあるの」 「…いいわよ」 なんとか返事をするアスカ。 レイは、アスカから借りて着ていたブラウスのボタンを外し て、肩から半脱ぎになった。 アスカが、壊れた。 自分を押さえることができなくなりつつあった。その時、ア スカはレイのおへそのところに銀色に光るものに気づいた。 「耳にピアスしてもらった時、ここにもしてもらったの。これ、 仔猫のピアス。かわいいでしょ?アルジャーノンくん、って言 うの」 アスカが何か言おうとして、口をぱくぱくさせた。 「何て言ったの?」 レイが無邪気に訊いた。 「…さわっても、いい?」 赤毛の少女が、囁く。 レイの頬が、真っ赤に染まった。でも、アスカは友達。レイ はアスカを信頼していた。 「そっとね」 レイは自分に向かって言うように囁いた。 アスカは、まるで身体を誰かに操られているかのようだった。 その目はレイの瞳をじっと見つめていた。青い髪の少女に、ア スカは歩み寄った。二人の鼻がくっつきそうになるまで。輝く 青い瞳が、渦を巻く赤い瞳を見つめる。 二人はしばらくそのままずっと立ちつくしていた。視線を合 わせたまま、アスカはゆっくりと腰を下ろして跪いた。やっと 少女たちの視線が外れた。 レイのおへそにピアスされた小さな銀の猫を、アスカは焦が れるように見つめた。驚くほどしっかりした動きでアスカは人 差し指を差し出し、まるで本物の仔猫を可愛がるかのように、 その装飾品をそっと撫でた。そして、その仔猫の周囲の滑らか な肌を、羽毛で触れるかのような指先でなぞった。 レイが激しく息を詰まらせた。その声に、アスカは目をハッ と見開き、レイのお腹から手を引っ込めてしまった。 「あ、まだピアスしてすぐだものね、ごめん、痛かった?」 心配そうにアスカが訊いた。 「う、ううん」 息を切らすレイ。 アスカは指先を注意深く銀の猫に当てた。そして再び撫でて から、その輪郭をなぞるようにレイの肌を触れていった。さら に他の指も人差し指に併せ、そしてすぐに、左手も加えた。 レイの肌は柔らかく、しかしその弾力は、レイのお腹の筋肉 が肌のすぐ下で引き締まっていることを示していた。ショート ヘアの友達のお腹を、アスカは優しく、優しく愛撫した。 顔を寄せ、アスカは仔猫にキスした。その唇が、銀の猫の周 りの肌にもかすめる。その瞬間、アスカは想像もしなかった声 を耳にした。口づけしながら、アスカはレイの顔を見上げた。 少女は目をギュッと閉じ、唇を噛んでいた。奇妙な声は、レ イの喉の奥から漏れる呻き声だった。 強烈な麝香のような香り…アスカには憶えのある香りを感じ 取った。アスカはレイの身体に沿って、優しくキスをしていく。 あばらに、胸に、首筋に、あごに、そして、とうとう、唇に。 「貴女が欲しいわ、優等生」 アスカが、告白した。 「レイは、何が欲しい?」 「アスカは私に『幸せ』を教えてくれた。今度は『愛』を教え て。お願い、アスカ!」 レイが、懇願した。 燃えるような赤い髪の少女は、こんな好機を逃すようなこと はしない。レイの言葉を聞いたとたん、アスカは自分がどれほ どその言葉を聞くことを待ち望んでいたかを悟った。生々しい 感情が、アスカ自身を突き動かしていく。 アスカはレイを抱き寄せると、深くキスをした。唇と舌が、 全力でレイの口を精密にマッピングしていく。アスカの手がレ イの腕をブラウスから抜いた。青い髪の少女の肩に、鎖骨に、 そして胸に、首に下がったペンダントの周りをくまなく、アス カはキスしていった。 その間ずっと、アスカは囁き続けていた。 「レイって、きれい。レイが欲しい。あたし、どうにかなっち ゃう。レイは知らなかっただろうけど、この何日か、レイはあ たしをずっと燃え上がらせてたのよ…」 「うん…」 レイが大きく息をした。 「私、そんな気はしてたけれど…」 「…何ですって?」 アスカが全ての動きを止めて、レイと同じ高さに視線を上げ た。アスカは真実に気がついた。ショックだった。 「気づいてたのね!レイはあたしをからかって、もてあそんで、 わざとあたしの心に火を付けたのね!そんなの許さないんだか ら!これからが本番よ!」 アスカがレイに向かって情熱の総力戦を開始した。まるで指 が数十本もあるかのように、アスカの指が激しく動いて、レイ の服を思いっきり引き裂いた。アスカの唇は休むことも知らず、 レイの首筋や肩をくまなく舐め、歯を立て、キスしていく。 「レイ、こうしてほしかったんでしょ、どうなの、このイタズ ラ猫!どう、何とかできるもんならやってみなさいよっ」 アスカが責め立てた。 レイの真っ白いブラが脱がされた。そしてスカートも。次に パンティーが引き下ろされた。 レイの息づかいが切れ切れになってきた。アスカの右脚がレ イの股間に強引に押し込まれ、レイの敏感な秘所をぐりぐりと 捏ね始めた。 身を屈めたアスカがレイの乳首を口に含んで、固くしこった 乳首を舐めながら唇で引っぱるように刺激した。 それほど激しくではないものの、途切れた息を大きく吸うた びにレイの喘ぎ声が漏れる。 アスカの攻撃がよろめきだした。アスカの全感覚は、あまり に膨大な刺激を処理するので精一杯になっていた。アスカの全 神経を快感が圧倒し、膝がガクガクしてきた。 崩れ落ちるレイをアスカはとどめられず、何とか支えながら、 攻撃を続けたままレイを床の上に横たえてやった。 レイは恍惚となって悲鳴をあげながら身悶えした。腰をくね らせて、自分の陰唇をまだ服を着たままのアスカの股間に押し つけてくる。だが、アスカがレイの乳房を揉みしだき、耳たぶ を舐ったりする方が、レイの動きよりもずっと激しかった。 レイは視線も定まらずに随喜の声をあげた。そして、絶頂に 達したレイの全身を、地震が起きたかのように痙攣が襲った。 レイの身体の震えに、アスカもまた崖っぷちに追い込まれ、レ イのすぐ後にイッてしまった。 ぐったりと力無くレイは床の上に横たわり、呼吸を整えよう とした。部屋がぐるぐる回っている。まるで空中に浮遊してい るかのようにレイは感じていた。 ものすごく気持ちいい蠕動を股間に感じた。目を開いたが、 何も見えない。レイの感覚はすでに許容値を超えていた。 だが、レイは気がついた。アスカの舌が自分の胎内に入り込 もうとしている!その感覚があまりに強烈すぎて、レイは怯え た。 「アスカぁっ!」 悲鳴をあげるレイ。 「ア、アスカ!だめぇっ!ああんっ!やめ…っ!…で、ア、ア ス、カ、あ、ああ、ああああっ!」 「止めないで?わかったわ」 アスカが意地悪く言った。そしてますます舌の動きを激しく した。 アスカの口唇愛撫にのたうちながらも、レイはどうにか意識 を保とうとした。レイの息が焼け付き、金切り声を上げた。 アスカの丹念な舌の動きがずっと続き、ついにレイは二回目 の絶頂に達した。 オルガズムがだんだんおさまって来ると、アスカは今度はレ イのクリトリスに的を絞り、自分の口に含んで、舐め、キスを 加えた。 絶叫があまりに大きくて、レイの声がかすれてしまったが、 にもかかわらず叫ばずにはいられなかった。まだ気絶しないの が信じられないくらいだった。レイの全身は押さえられないほ どにガクガクと揺れ、全身がおびただしい汗に濡れた。 アスカはレイの味を堪能している。赤毛の少女の心は罪悪感 に疼いたが、それを押さえ込んでしまった。 だって、何て言ったってレイが欲しがってるんだもの。あた しがちゃんと責任はとってあげるからね。 アスカは口に含んだレイのクリトリスをそっと引っぱるよう に刺激しながら、これ以上ないくらいの素早さで舐め回した。 レイは再びイッてしまったが、今回はいちばん強烈だった。 レイの愛液が溢れるというより滴る程度だったのは、もうそれ しか残っていなかったからだった。 アスカは悪戯っぽくニヤリと笑いながら、そのネクタルを一 滴残らず舐めとった。 ようやくレイの感覚が戻ってきた。その姿にアスカは抗えず、 「アルジャーノン」にまたそっとキスすると、親友の口から長 い喘ぎ声が漏れた。赤毛の少女はもうクタクタだったが、顔を 上げてレイのことを想った。 青い髪の少女は、激しく胸を上下させていた。全身が汗と、 それ以外の液体にびっしょりと濡れていた。目はまだ閉じたま まだった。そして何度も何度もビクビクと痙攣していた。 四回もイカせちゃったけれど、ちょっと可哀想だったかな、 とアスカは思った。イカせちゃうのに夢中になりすぎて、レイ の方はたっぷり楽しめなかったかも、とアスカは本気で考えて しまった。 アスカはレイのそばに腰を下ろした。そしてそっとレイの頭 を膝の上に乗せた。アスカはぼんやりと、レイの繊細な青い髪 を弄び、何度もレイの頬を撫でた。 「大好きよ、優等生。何よりも誰よりも、愛してるわ」 「私…死ぬまでこんなふうに言われることなんか無いって思っ てた…。私も…愛してる…アスカ…私はもう、アスカのもの」 切れ切れに喘ぎながら、レイが静かに言った。 アスカは身を屈めて、レイの唇に優しく口づけした。 「ね、もう『愛』の詩が書けるわよね、レイ?」 アスカがからかうように言った。 「うん…、やってみるね」 息を切らしながら、レイがルビーの瞳を煌めかせた。 「でも、私…、もっと…、ずっと、教えてほしいな…、愛…」 完
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