鞭と髑髏 Peitsche und Totenkopf / 隷姫姦禁指令

5・汚穢の地獄 Die Hoelle der Rueckstaende

 
 夜が更けた。

 国賓専用の客間は、この城で最も美麗な部屋が当てられてい
る。その豪華な調度は、おそらくは長年にわたってこの国を訪
れた王侯貴賓の目を驚かせ、深い満足を与えて迎え入れてきた
のだろう。
 とはいえ、中世以来、時代の変遷に伴って室内もさまざまな
手が加えられ続けてはきた。中世の素朴を基礎に、ルネサンス
やバロックの息吹、ロココの華麗さが分厚く積み重ねられ、年
月の重みをも加わって、実に意趣卓越した壮麗な一室となって
いる。さらに、近代の人間が生活するための改装もまた、きち
んと加えられているのは言うまでもない。

 その套室を、今はこの国を占領する帝国軍司令官が個室とし
て使用している。

 部屋の一隅には、近年に新しく設えられた浴室があった。現
在のこの部屋の主は、そこでシャワーを浴びていた。石油ボイ
ラーでいつでも温かな湯を浴びることができる最新型の設備で
あったが、しかし、彼女が浴びていたのは冷水のままのシャワ
ーだった。

 身体が異常なほどに火照っていたせいである。

 山脈の雪解け水が貯えた地下水を湖の底からそのまま汲み上
げているせいで、シャワーの水は初夏だというのに身を切るよ
うに冷たい。しかし、ヘルガ少佐の裸身からは湯気すら立ちの
ぼっていた。

 あの可憐で無垢な、そして高貴なクラリス姫を、己が欲望の
ままに弄び、悪魔の快楽をその青い肉体に刻みつけることがで
きたことに、ヘルガは有頂天になっていた。顔には出さないも
のの、神聖な遺物を教会から盗み出して肥溜めに投げ捨てるよ
うな、至高の贅沢に浸る背徳者の悦楽に、この親衛隊美女は身
体の奥底から地獄の業炎のごとき昂ぶりを沸き立たせていたの
だ。

 大公の息女、純粋培養された無垢な魂、そして長き歴史の陰
影が刻み込まれた血の系統。
 単なる美少女ではない、その身に生まれながらにして高貴の
翳を湛えた存在。
 それが今や…。

 辺塞の田舎郷士の家柄に過ぎぬフォーゲルヴェヒター家に生
まれながら、自らの才覚を唯一の手綱として、鉄の掟が支配す
る苛酷な帝国の底辺から這い上がってきたヘルガ少佐にとって、
本来ならば近づくこともままならない存在を欲望のままに弄ぶ
快感は、何にも例えようもなかった。

 冷たいシャワーを全身に浴びれば浴びるほど、下腹部から胸
の奥にこみ上げてくる溶岩のような欲望は、冷めるどころかま
すますかき立てられていくばかりだった。いつの間にか、ヘル
ガはその真っ赤な唇を歪ませるように、含み笑いを漏らしてい
た。

 だが、ヘルガは自分の情欲の炎の奥に、あたかも燃えさかる
竈の中に潜むサラマンドラの如く、何か奇妙な低温の領域が蟠
っていることにも気がついていた。
 それが何によるものなのか…。
 笑みは消え、氷のような水流の中で、ヘルガは両手を漆喰の
壁について俯いた。

 あの、初めての顔合わせで、愛用の鞭の嵐で公女をさんざん
に嬲り、その柄で処女を奪った時。
 そう、あの時のクラリス姫の、まるで極北のように冷たい、
青く深い瞳の視線…。

 あの視線に不覚にも一瞬たじろいだのを、ヘルガは忌々しく
思いだした。自分が無意識に位負けしていたなどと、栄えある
帝国親衛隊特務少佐たる身として、プライドに賭けても思いた
くはなかった。
 だが、考えてみれば、綿々と続く大公の系譜に連なる姫君と、
新興の帝国軍の、それも組織の歯車に過ぎない将校の身分が、
そもそも比較の対象になるはずがないのだ…。

 急に鬱々とした気分になって、ヘルガ少佐は俯いた後頭部に
水流の直撃を浴びせ、豊かなブロンドのストレートヘアを練り
たての絹の束のように垂らした。貯水槽の水が切れかかってい
るのか、水の勢いがだんだん弱まってきた感じがして、ヘルガ
は水栓を閉めた。
 水流の反響音がいきなり消え、寒々とした浴室に滴の音だけ
が響いた。俯いた顔を上げ、金色の髪の房を後ろにかき上げた
ヘルガは、やはり水滴に濡れていた側面の大きな鏡に目をやっ
た。
 洗面台の前に据えられていた大型の鏡は、華麗なロココ様式
の彫刻が施され金銀で飾られた木枠に嵌められている。その鏡
に、美貌の女将校の裸身が映し出されていた。

 山脈の清水に濡れ滴る北方系の白い裸身は、確かに美しかっ
た。その豊満な乳房も、適度にシェイプアップされた全身も、
彫りの深い顔立ちも、帝国の理想とする女性美の極致であった。
実際に戦場に出て功績を挙げたことが今の地位をつかんだ源泉
ではあったが、その一方では自らの美貌に対して総統や親衛隊
長の覚えめでたかったことも確かだった。
 北方の神話の女神のごとき端正と調和は、ヘルガ自身も自ら
誇りとし、自負もあった。この身体を出世の道具に使ったつも
りはなかったが、同性の少女を誘惑し隷従させるために利用し
たことは無数にある。自らの視点を絶対とするならば、己の美
貌に自信を持って当然でもあった。

 だが、あのクラリス姫を見て、この傲岸不遜な親衛隊美女の
自尊心に、何か不確かな影がさしていた。

 大公女クラリス姫のことはその可憐な美しさがつとに有名で、
近年出版されてきた写真をふんだんに使った雑誌においても、
その花のような肖像写真が掲載され、各国の人々から慕われて
いた。そんな写真をヘルガも目にした。その時からヘルガは、
この聖少女に焦がれていたのかもしれない。

 しかしヘルガは生来の倨傲な性格から、大公の血筋という
「虚飾」を剥いだ小娘がどんな痴態を見せるのかという加虐的
な妄想を抱いた。王侯将相あに種あらんや、と古の反逆者は嘯
いたものだが、実力で成り上がってきたヘルガもまた、似た感
慨を抱いていた。身を飾るべき一切を失ってしまえば、王侯貴
族もただの人間に過ぎない、その転落を嘲笑いながら、己の欲
望を満たす生贄にしてやろう…。

 親衛隊のエリート将校でもある美女は、こうしてこの国の占
領を司り、目論んでいたよこしまな野望を実現させることが出
来たのである。そして哀れな姫君を、狙い通り、苛烈な拷問の
洗礼を経て、被虐の悦楽という恥辱の泥濘の中に叩き込むこと
に成功したはずだった。

 禁断の情欲によがり狂う肉奴隷となった姫君を、ヘルガは征
服者の満悦とともに味わい尽くしてやる…そのつもりだった。

 だが…。
 あの時、得意の鞭捌きで身につけたもの全てを剥ぎ取って、
眼前に曝し出したクラリス姫の裸身は、意外なほどに豊かな乳
房を見せていたものの、全体にはまだ青い蕾のように生硬なフ
ォルムであった。単純に比較をすれば、女性としての成熟も、
美のモチーフとしてのヌードの艶麗も、どう見たところでヘル
ガに敵うはずもない。
 それにもかかわらず、ヘルガの目には、今のクラリスはいさ
さかもその輝きを失うことのない神性を纏い続けているように
しか見えなかった。肉の快感に溺れている時ですら、その青い
瞳は濁ることはなく、輝きを放ち続けていた。

 今、鏡に映し出されている自分の裸身も、あの公女の哀れな、
しかし神々しい姿に比べては、ただの肉塊にしか、ヘルガには
思えなくなっていた。

 純白のバスタオルでそそくさと身体を拭き、何かから逃げる
ようにバスローブをはおって、まだ髪が湿ったままの顔にいつ
もの眼鏡をかけ、ヘルガ少佐はバスルームを出た。
 寝室の中はランプが明るく照らし、赤銅色の光に染まった調
度品の彫刻の影がより深まって、豪華さを強調している。重た
げに壁を飾る天鵞絨の幔幕にランプの灯が揺れることで、重厚
な空気の存在がより鮮明になった。月明かりもほとんど無く星
の瞬きが窓を通じて室内からも見てとれた。

 その薄暗い室内に、こちらは純白のレースで彩られたカーテ
ンを天蓋から垂らした、豪華な寝台が設えてある。王侯貴族の
用品らしい豪華なベッドには金銀で象嵌が施され、絹織りのタ
ペストリが縫われたシーツがその上を覆っていた。

 そのベッドの向こう、入口の扉のそばに、小さな人影が控え
ていた。
 薄闇の中、ブロンズの彫刻にも見えたシルエットは、ラナだ
った。

 哀れな少女はやはり首輪一つ嵌められただけの全裸のまま、
俯いて目を閉じ、直立不動で寝台に侍していた。その足元は、
明らかに震えているのがわかるほどだった。

 ヘルガ少佐がこの城に来てすぐに取りかかったのは、メイド
の品定めだった。そしてその目にとまったのが、まだ見習いと
して城に入ったばかりの、この幼い少女だった。
 まだ12歳にもならない、何も知らない無垢な少女を、親衛
隊美女はいきなりベッドの中で毒牙にかけ、同性愛の秘術の限
りを尽くして弄んだ。十代の頃から女子青年団の閨房で鍛え上
げられてきたテクニックに、ラナは為すすべもなく悶絶し、強
制的に性の玩弄物へと堕とされてしまった。

 わずか数時間で完全に性奴隷に調教されたラナは、そのまま
クラリス姫の世話係の任務を受けた。敵の奴隷にされた身とは
いえ、憧れの姫君に対しては心からの献身を尽くしたいという
気持ちに偽りはなかったラナだが、もちろんそこにはヘルガ少
佐の別の狙いが隠されていた。
 屈辱を加えるばかりでは、おそらくあのクラリス姫であれば、
すぐにでも名誉と尊厳を守るために自ら死を選ぶに決まってい
た。高貴な公女を嬲る楽しみをずっと続けていくためには、ク
ラリスをこの世に縛る執着を持たせることが必要だった。
 そのくびきとしてラナは利用されたのである。慈愛深き聖女
のごときクラリスが、自分よりも悲惨の境遇に置かれている年
下の少女の献身を受けて、それを無にして見捨てることなどあ
りえない、という奸計だったのだ。

 今も、ラナはクラリスへの夜の奉仕を終えてきたところだっ
た。そしてその後は、即座にこの部屋に戻り、主人である親衛
隊特務将校に報告を行わなければならないのだった。

 頭を垂れる奴隷少女の姿に、ヘルガ少佐は安堵のようなもの
を感じながら、いつもの傲然とした表情を取り戻した。

「来たわね」
 素っ気ないその声に、ラナの肩がピクッと動いた。
 ヘルガはバスローブ姿のまま、めくりあげられていたカーテ
ンを抜けて、巨大なベッドに横たわった。
「…こっちにおいで」

 少佐の声がまるで突き刺さったかのようにビクッと全身を震
わせて、ラナはおどおどとベッドの傍に近づいた。その顔は紅
潮し、唇の端も震えていた。

「さあ、今日の仕事を報告なさい」
 しどけなく横たわり、左手で頬杖を付いた姿勢になって、ヘ
ルガが促した。

「は、はい…」
 口ごもったラナだったが、主人の逆鱗に触れる恐怖から逃れ
るために、必死で言葉を紡ぎ始めた。

「わ…わたしは…いつものように、バスケットにタオルとポッ
トを入れて地下牢に行きました。…中に入ると、…く、クラリ
スさまのようすがおかしくて…」
 途切れ途切れに説明する少女の言葉に、ヘルガ少佐は無表情
に聞き入る。
「…わたしが来たのにも気がつかないごようすで、…ずっと上
を見あげたまま、なにかつぶやいておいででした…」

 三角木馬と蝋燭の責めを受けて、苦痛の中でエクスタシーを
迎えてしまった恥辱。愛犬に犯されかけた恐怖。そしてその愛
犬を目の前で殺され、全身を腥い血で染めた絶望。
 わずか半日足らずにして、生きながらに地獄の深淵を覗かさ
れたに等しい経験を強いられたのだ。無垢な姫君が虚脱茫然と
してしまうのも無理はない。
 
「…わたし、濡れタオルでおからだをおふきしました。…姫さ
まのおからだが、熱をもっているのがわかりました。白いおハ
ダに、いくつも赤いあとがのこってて…、やけどみたいに熱く
なっていて…。わたしはなんども水をかえて、タオルをぬらし
て…。でも、姫さまはわたしがいることにもお気づきになって
いないようでした…」

 痛みと共に火照る熱蝋を浴びた肌に苦しむクラリスの姿を脳
裏に浮かべ、ヘルガ少佐は身悶えしたいほどの喜びが湧き上が
ってくるのを隠そうともせず、うっとりと聞き入っていた。

「…姫さまのおからだをふきおわって、わたしはバスケットか
らパンとミルクをさしあげましたが、クラリスさまは食べよう
ともなさらずに、どこか遠くを見てるみたいでした…。くるし
そうに、大きく息をして…」

 露わな胸や股間を隠すこともせず、不自然なほどに両手をま
っすぐ伸ばして直立したまま、ラナは自分の仕事を報告し続け
た。もちろん、そのように命令されているのである。ただ、わ
ずかに伏し目がちにうなだれ、膝を震わせているのは、残った
羞恥心のせいなのか、冷酷な主人への恐怖感なのか、…それと
も無意識に被虐の快感に襲われているのか、それはラナ自身に
も判然としない。

「そ…それで……」
 元から訥々と話していたラナの声が、さらに途切れがちにな
った。
「それで、わ、…わたし…、昨日と同じように…その…」
 ラナの顔が羞恥でさらに真っ赤に染まり、目を伏せる。
「…姫さまの、あ……あそこに…」

「ちゃんと言いなさいっ」
 静かだが、逆らえない厳しさで親衛隊美女将校の叱咤の声が
飛んだ。

 雷に打たれたように全身をビクッと震わせたラナは、一瞬息
を詰め、そして再び唇を震わせながら口を開いた。
「…ひ、姫さまの…お…お……」
 口ごもる少女の姿に、ヘルガの残酷な加虐の目が光る。

「…おまんこに…っ」

 ついにその単語を口にしたラナが、また顔を伏せた。幼い子
供ですらはばからねばならないことがわかっている淫語を、あ
えてハッキリ言うよう強制することで、ヘルガ少佐の支配欲が
満たされるとともに、淫靡な欲望にもさらに油を注ぐ効果をも
たらす。

 ヘルガが内心でほくそ笑んでいるのも知らず、ラナはなおも
必死で自分がクラリスに奉仕した報告を続ける。

「…顔をちかづけてのぞきこむと、きのうよりもずっとまっ赤
にはれていて…。わたしはできるだけ痛くないようにと、舌を
ぬらしてそっとなめました…。はれあがった『くちびる』が熱
をもっていて、わたしは舌がやけどするかと思いました。…わ
れめも、血がにじんだみたいにまっ赤で、…お豆にはナイフを
押しあてられたみたいにすじがクッキリ…」

 敬愛する姫君の秘所を懸命に描写するラナのせつない口調に、
ヘルガはうっとりとして、剥き出しの脚を組み直した。バスロ
ーブの裾がめくれ、白い臀部までがあらわになる。
 その姿を目にしたラナが、さらに顔を赤く染めた。

「それで?…お前はどんなふうに奉仕したの?」
 さらに克明に表現させて少女の羞恥心を増幅させようと、妖
艶な肢体をくねらせるように見せつけながらヘルガが畳みかけ
た。

「…熱くなっているのをさまそうと、わたしは口をくっつけな
いで、つばを冷やしながら舌の先でなめるようにしました。さ
いしょはまわりの方から、だんだんとわれめの中の方に…。ひ
だをそっとめくるようにして、できるだけ熱をさまそうとしな
がら…」

 自分の舌先奉仕のさまを、つたない語彙で細かく説明するこ
とで、かえって淫靡な響きが纏わりついてくる。

「…姫さまはっ…はじめのうちはなにも反応なさらなかったん
ですが、しばらくなめているうちに、お顔が変わってきました。
こおりついたような目が、だんだんとろんとうるんできて、息
づかいも甘くなってきました。ときどきビクンとおからだをふ
るわせたりして…」

 絶望の淵で虚脱した公女が、再び欲望に目覚めつつある報告
に、ヘルガの股間がきゅっと絞られる感覚がしたと同時に、濡
れてきたのが自分でもわかった。

「わたしの舌先がとうとうお豆にそっとさわって、それと同時
に、クラリスさまはのどの奥から『ひっ』と声をもらして、せ
なかをグンッとのけぞらせました。わたしは思わず、口いっぱ
いに姫さまのお…おまんこをほおばっていました…」

 矢も楯もたまらず、ヘルガは目の前にいるラナにもかまわず
に、自分の秘所に自分の指を当てて、報告の中のクラリスと同
じように、クリトリスを弄りだした。ラナの奉仕にのけぞる公
女と自分を重ね合わせ、親衛隊美女は吐息を漏らしながら妖艶
な自慰に耽った。

「そ…それから?」

 バスローブをあちこち乱れさせ、素肌を見せつける主人の姿
に目の遣り場を失いながらも、ラナはさらに核心部分を話し続
けなくてはならなかった。

「姫さまが正気をとりもどそうとしていると思ったので、わた
しはそのまま姫さまの…おまんこをなめつづけました。くちび
るをぴったり押しあてて、舌をのばして、姫さまの中のひだひ
だをみぞにそって、それからお豆をつつむようにしてなめてい
きました…」

 クラリスの秘所の味を思いだしたのか、ラナも自分の恥辱を
忘れて、幼い肉体の芯が熱くなっていくのを感じていた。

「クラリスさまはほっぺを赤くして、息がだんだんあえぎ声に
なってきました。ずっと人形みたいだったおからだにも、すこ
し汗がにじんできました。姫さまがお元気になってきたのがう
れしくて、わたしはますます舌でおまんこの内側をなめまわし
ていきました…」

 ラナも自分の言葉に興奮し、膝をがくがく震わせて、内股を
もじもじさせだした。だが、直立の姿勢を崩すことは許されな
いため、幼い少女は必死で自分の欲望と戦うことを強制されて
いた。
 一方、支配者であるヘルガ少佐は、思うがままに己の欲望に
浸りきっていた。バスローブはすでに半分はだけ、豊満な美乳
を露わにしてゆさゆさと重たげに揺らしながら、股間に伸ばし
た両手を激しく蠢かせていた。
 いたいけな少女の口から発せられる淫語を触媒として、その
つたない語彙で描写される公女の痴態を脳裏に鮮明に浮かべな
がら自涜に耽っていると、まるで自分がクラリスを責めている
ようにも、また自分がクラリス姫と一体化して逆に責められて
いるようにも感じられた。

「姫さまは…からだをくねらせて、気持ちよさそうな声をあげ
て、…白いお肌がピンク色になって、ひとつぶ、ふたつぶと汗
が上から流れてきて、…下から見あげると、きれいなおっぱい
がぷるぷる揺れてて…、く、うんっ…」

 ラナが声を時折詰まらせるのは、興奮が自分でも抑えられな
くなってきたせいだった。顔どころか胸元まで紅潮させ、全身
に汗が滲み、目にはうっすら喜悦の涙まで浮かんでいた。だが、
手を動かすことすら許されない奴隷の少女は、幼い子宮の奥か
ら湧き上がるむず痒いほどの性的興奮を必死でこらえた。
 その姿に嗜虐心をかき立てられ、ヘルガはさらに喜悦に溺れ
て悶えながら、目をギラギラさせてラナの報告をさらに促す。

「…あうっ…はあ…、ひ、姫さまが、わ、わたしの名前を呼ん
で…、ラナちゃん、もっと…って、言ってくださってっ!」

 恍惚のヘルガの目に、一筋、氷の光がよぎった。

「姫さまの、おまんこの奥から、熱い蜜がじゅくじゅくあふれ
てきて…。あたしっ…は…、舌を、おまんこの奥に、思いっき
りのばして…あたしのつばと、姫さまの蜜で、つるっと…びっ
くりするくらい奥までとどいて…。クラリスさまもかん高い悲
鳴をあげて、からだじゅうブルッとふるわせて、ピンとひきつ
って…」

 もうラナも目を開けていられなくなり、全身を震わせていた。

「姫さまの…蜜が…どんどん奥からあふれてきて…、あまずっ
ぱくて、いいにおいが口いっぱいにひろがって…、わたしもあ
たまがぼうっとしてきて…」

 ヘルガも再び目を閉じ、自慰に没頭して白い裸身をくねらせ
る。

「…熱いお肉がいきなりわたしの舌をぎゅっとしめつけたとた
んに…姫さまが悲鳴をあげて…、奥からぴゅって蜜がふきだし
て…。姫さまのおまんこがわたしの舌をはなしてくださらなく
て…しばらくしてからやっと舌がはずれて、クラリスさまはが
くんと力がぬけたようになって、吊られた両手がぐったりして…
姫さまはイッてしまわれたんです…」

 ラナが語る公女クラリスの絶頂の描写とともに、寝台の上の
親衛隊美女もまた、同時にオルガスムを迎えてひきつったよう
に痙攣していた。ラナもまた言葉を途絶えさせ、こみ上げてき
た幼い欲望に直立不動のまま全身を貫かれ、そして股間から内
太股にたらりと濡れたものがこぼれていくのを感じていた。

「はあっ…はあ……はあっ…」
 まだ息も荒いまま、ヘルガ少佐は突っ伏していたシーツから
身を起こした。そしてそのままベッドの端に腰を掛けるように
して、まだ身体を火照らせたまま気をつけの姿勢のままのラナ
の正面に向かい合った。

「…」

 無言のまま、呼吸で肩を上下させつつ、妖艶な女主人は片手
を伸ばすと、立ちすくむ少女奴隷の脇腹を上に撫で上げた。

「…!」

 息を詰まらせたラナの肩をつかむと、女将校はそのまま少女
を抱き寄せた。
 面食らったラナをじっと見下ろす氷の瞳。

 そのままヘルガ少佐はその真っ赤な唇で、少女の桜貝の唇に
押しつけた。まるで鮫が獲物に食らいつくかのように激しく、
ラナの口を吸い、舌を口腔内に突っ込んでまさぐった。自分の
全てをしゃぶり尽くされるような恐怖と同時に、これが自分の
主人の褒美なのだと思うと、どこかで喜びのようなものも少女
は感じていた。

 しかし、聡明な幼女は気づいていた。
 自分の主人の心がどこにあるのかを。

 自分に口づけしているヘルガだが、これが愛情なんかではな
いことは触れ合わせた肌からも酷薄なほどに伝わっていた。
 ヘルガ少佐が求めているのは自分などではなく、自分が奉仕
してきたクラリス姫の温もりであることを。
 まさぐる舌が求めているのは、自分の口にまだ残っているク
ラリス姫の愛液の残り香であることを。

 残酷なほどに切ない女主人の想いをその身で理解する少女は、
同時に公女への献身の悦びに心を引き裂かれ、気が遠くなって
いった。 
 
 茫然としたラナから顔を離し、ヘルガ少佐は氷の微笑を浮か
べて囁いた。
「…さあ、今度は私にも、クラリス姫にしたのと同じ奉仕をし
なさい…」
 そう言うと、金髪碧眼の美女はすでにはだけていた純白のバ
スローブを脱ぎ去って、古代の大理石の彫像の女神のような全
裸の姿になった。そして、幼い少女の目の前に淫猥に両脚を広
げて見せつけた。

 夢心地のまま、ラナは憑かれたかのように酔い痴れた笑みを
顔によぎらせ、美貌の主人の足元にひざまづくと、目の前に開
かれた大輪の花卉に顔を寄せた。そして、今しがた説明させら
れた公女への奉仕と同じ、口唇愛撫を始めた。

「…うふうっ…そ、そうなの……こうやって、お前はお姫さま
に…はあああうっ!」
 淫語を聞きながらの自慰によってすでにじっとりと愛液に濡
れそぼっていたヘルガ少佐の秘所に、ラナは忠実にクラリス姫
への奉仕を再現していった。

 陰唇をゆっくり舌でなぞり、わざと焦らすように周辺から攻
めていく。そしておもむろにスリットを刺激しながら、内側の
肉襞を舌先で一枚ずつめくるように愛撫していく。

「いいわ…いい……あうっ、うう…!」
 のけぞったヘルガの豊かな乳房が重たく揺れ、えびぞった上
半身を支える両腕に体重がかかり、ベッドにめり込んだ両手が
シーツを握って渦のような皺を深めた。浮き上がった腰が幼女
奴隷の顔にさらに押しつけられると、少女はそれにひるむどこ
ろか、ますます舌を伸ばして女主人の淫裂の奥をまさぐる。

 クラリスの、まだ初々しさを残した青い橄欖の実のような秘
所に比べると、美貌の女将校の淫部は瑞々しく熟した紅葡萄の
実を思わせ、その蜜の味もさらに芳醇な美酒にも似て、立ちの
ぼる香りもより強く鼻をついた。

「くちゅ…くちゅ……ぺちょ………はうっ……くちゅ…」

 敬愛と服従と、異なる形で同時に二人の女性に仕える身とな
った哀れな少女ではあったが、しかしそれと共に、こうして二
通りの奉仕をすることで二種類の美酒を味わうことができるこ
とに、ラナはある意味で至福すら感じていた。

「いいわ…そうよ、そう……はうっ、…もっと奥までしっかり
舐めなさいっ」

 少女の舌の動きが激しさを増してくると、ついにヘルガ少佐
は肘を折り、ベッドのシーツに背を付けて悶えた。仰向けにな
った女主人に遅れまいと、ラナも美女の陰唇を頬張ったまま、
身を乗り出すようにして追いかけた。だがその瞬間、いきなり
身体を反転させながら身を起こしたヘルガ少佐は、自分の秘所
から離れようとしないラナをそのまま引きずるようにして、体
勢を入れ替えてしまった。
 逆に仰向けになってベッドに横たわったラナの顔に、ヘルガ
少佐が上からまたがる姿勢になった。そして上半身を起こすと、
美女はその柔らかな臀部を幼い少女の顔面を押し潰すかのよう
に体重をかけた。

「ひぐうっ、…ううう…うぐ………っ!」
 窒息しそうになりながらも、ラナは女主人の臀肉の割れ目を
かき分けるようにして顔を埋め、下をさらに秘所の奥に向かっ
て突き立てた。鼻先がヘルガ少佐の真っ赤な真珠のような陰核
に何度も当たり、その度に騎乗位の美女が全身をビクンとくね
らせる。
 薄目を開けて見あげると、その動きに合わせて豊満な乳房が
激しく揺れるのがよくわかった。

『きれい…』
 顔に押しつけられる金色のヘア越しに見える、揺れる乳房の
美しさにうっとりと見とれながら、口唇愛撫を続けるラナに、
ヘルガ少佐はさらに腰を使って陰唇を少女の口にこすりつけた。

 真下からの秘所への奉仕を強制し、背筋に電流が走るのを何
度も感じて身悶えする親衛隊将校は、そのままわずかに上半身
をのけぞらせると、左手をぐっと伸ばし、ラナの股間にもぐり
こませた。そして一瞥もしないまま、幼い未発達な、しかしす
でにぐっしょりと濡れている蕾の淫部をなぶり始めた。

 性の喜びをつい先日教え込まれたばかりで、絶対的な時間と
してはろくに自慰をしたこともまだ数えるほどしかない少女の
秘部は、まだ半分痛みと感じられるほどに敏感だった。ヘルガ
の細く滑らかな指が無毛の小丘をまさぐり、そして固い割れ目
をめくるようにこすりつけると、ラナは電気ショックの拷問を
受けたかのように全身をひきつらせた。

「ひあっ!!くうう…ぅんん!ああ、はああああ…あんっ…!」
 思わずラナはヘルガの陰唇から口を離し、魚のように口をパ
クパクさせながら喘ぎだした。そして背中をえびぞらせて、背
中をねじって悶えた。

「舌がお留守よ!休ませないで!」
 鋭い叱咤の声が、上になったヘルガ少佐の口から飛んできた。

「!…は、はい……」
 びくっと一瞬身を凍らせた少女は、股間をまさぐられる痛が
ゆい感覚に耐えながら、再び舌を突き出すと、支配の女神の神
殿への奉仕を再開した。

「うふうっ、はあっ、はあ、はあっ…、うううぐっ……!」
 従順な少女奴隷の仕事ぶりに満足しながら、ヘルガは自分自
身の快楽にひたすら埋没した。自分の指捌きに過剰なほどに反
応する下僕の悶絶が、とりわけ腰掛けた尻の下に押し潰された
ラナの愛らしい乳房の先が突き刺さるほどに固くしこってくる
のが、臀肉に直接伝わってくる。そしてその悶絶にも耐えなが
ら、舌を使って奉仕する少女のけなげな姿は、さすがに冷酷無
情の女将校の目にもいじらしく見えた。

 その舌の動きがますます激しくなり、少女の身体のねじれも
大きくなった。それに合わせるように、ヘルガ少佐の上半身を
振る動きもさらに荒々しくなっていく。華麗な金髪を嵐雲のよ
うに激しく振り乱し、かけたままの眼鏡の背後から、汗とも涙
ともつかない液体が流れ落ちた。
 ラナもまた女主人の尻に顔を埋めたまま、全身を貫く快感に
幼い肉体を燃え上がらせていた。上から降り注がれてくるヘル
ガ少佐の汗の滴が、あたかも欲望の炎に注がれる油のように、
悶える少女の額にいくつも落ちた。

「ああ、はあああううんんんっ!!…、……う、くはああああ
っ…!」
 バネ仕掛けの人形のように、ヘルガ少佐の上半身が跳ね、そ
して固まったまま痙攣する。

「んんんっ、んぐう、ふは、は、はああああああっ…!!はあ
あ……っ!」
 主人の陰神殿に舌を差し入れたまま、ラナも耐えきれずに口
を大きく開け、自分の唇とヘルガ少佐の陰唇の間から喜悦の叫
びをあげた。

 ラナの顔に上から押しつけられていた秘所がひくひくと痙攣
しながら、どっと蜜があふれ、少女の舌を潤し、口腔を満たし
た。むせ返るような大人の女性の味と香りに、少女は窒息しそ
うになりながらも、必死で喉を鳴らし、蜜を呑み込んでいった。
 同時に、ラナのまだ幼い淫部をまさぐっていたヘルガ少佐の
指先は、そこに熱いものが湧くのを感じとっていた。

 力が抜けて前のめりに両手をついたヘルガ少佐は、そのまま
左脚をあげてラナの顔から股間を離し、ベッドに仰向けに横た
わると、やはり仰向けのまま新鮮な空気を久しぶりに顔に受け
てぜいぜいと呼吸しているラナと並ぶようにして、息を切らし
ながら全身に広がる快感の余韻に浸った。

 しばらく寝台の上で呆けていたラナだったが、ふと我に返る
と、ハッとして起きあがり、ベッドから下りようとした。ご主
人様の尊い寝台の上で召使いの自分が寝転がっては、ヘルガ少
佐の逆鱗に触れる無礼だと思ったからである。

「し、失礼いたし…きゃっ!」
 慌てて転がり降りようとしたラナの右のおさげ髪が、いきな
り掴まれて引き止められた。そしてそのまま引きずられるよう
に、少女はベッドの上に再び仰向けにさせられた。
 何が起こったのかとっさにわからなかったラナの顔に上に、
再び美女の秘部が上からのしかかってきた。しかし、今度は方
向が違う。さっき自分の鼻先に触れていたルビーの秘芯は、今
度はあごの先あたりに位置している。そして少女の視線の先に
は、豊満な双肉の合間の、蜜の余韻を浴びてつややかに輝く赤
紫色のアメジストにすら思える美しい肛門が見えていた。

 上半身の差を解決するべく、ヘルガ少佐は自分の背中を丸め、
少女の股間に顔が届くようにすると、そのまま体重をかけて覆
い被さった。
 成人女性の豊満な、そして絹のように滑らかな肌触りの肉蒲
団で全身を包まれ、ラナは再び煩悶と恍惚の二つを同時に味わ
った。

 しかし次の瞬間、女主人の言葉にラナは戦慄した。

「いいこと?私と同時にイキなさいっ。これは命令よ。一秒で
もずれたら、お前には厳しい罰を与えるわ」

「あう、そ、そんな…ああっ!」

 すでにヘルガ少佐の舌は、ラナの幼い秘所をくまなくまさぐ
り始めていた。まだまだ生硬な小娘とはいえ、たったいま女主
人の巧緻な指技で絶頂に導かれたばかりである。敏感になって
いる上に、それを覆い守るヘアも全く生えていない剥き身であ
る。
 明らかに出遅れてしまったレースに、しかしラナはけなげに
も舌を伸ばして、さっき奉仕したのとは逆方向の動きでヘルガ
少佐の陰部を舐め始めた。

 純白のレースに覆われた豪奢な寝台の上に、ぺちゃ、ぺちゃ
と蜜を舐める淫猥な舌の音がデュエットで鳴り響く中、幼いジ
プシーの少女と、帝国の理想体型を誇る美女の肉体は卍巴に絡
みあい、シックスナインの快感に縺れ続けた。

 だが、そもそもの彼我のテクニックに格段の差がある上に、
スタートでも出遅れてしまっていたラナに、女主人の命令を遵
守する可能性はほとんど残されてはいなかった。手加減もなく
少女の秘所を窮極の舌戯でなぶり尽くしていくヘルガ少佐の攻
撃に、ラナはたちどころに絶壁にまで追いつめられた。

「いや、いっちゃう、いっちゃうぅ…っ」
 冷酷な親衛隊将校の命令に従えなければ、どのような処罰が
下されるかもわからない。その恐怖にラナはすくみ上がったが、
それでも自分の肉体の昂ぶりを抑えることは、非力な少女には
無理だった。
 狭い秘裂の奥にまで少佐の蛇のような舌が滑り込んで、今ま
でわざと触れずにとっておいた敏感な場所をまさぐり、同時に
前歯の先でしごくように幼いクリトリスを刺激すると、もうラ
ナは落下していくしかなかった。

「あ…あああう、ひいん、ひああああああああああっ……っっ
っっ!!!」

***

「やめてっ、もうやめてえっっ!ラナちゃんが、死んでしまい
ますっ!」

 悲痛な声をあげて懇願するクラリス姫の声が、仄暗い地下牢
に再び響いた。

 その悲鳴をかき消すような、ガラガラガラ…と耳障りな金属
音が公女の声に重なった。天井の滑車が激しい勢いで軋みなが
ら回転し、その輪に嵌った鉄鎖が流れたのだ。
 そしてその直後、室内に轟いたのは、鈍い水音。

 哀れなラナは、両足首を鎖で縛められ、そのまま全裸で逆さ
吊りにされていた。両手を後ろ手に縛られ、両のおさげをだら
りと下に垂らし、控えめな胸のふくらみが逆に下の胸元がわに
めくれるように不自然に寄ってしまった少女は、上半身びしょ
濡れで、無数の水滴がぼたぼた滴っていた。その頭の真下には、
おそらくは洗濯桶にでも使われていたらしい大きな木桶が置か
れ、中にはいっぱいに水が張られていた。
 その側に、あの冷酷な女将校が漆黒の軍服姿で立っていた。
そしてその右手が、床に屹立する木製のレバーにかかっている。
すでに気を失ってぐったりしていたラナを氷の微笑で見つめな
がら、ヘルガ少佐はすでに数回操作していたレバーをまたも押
し倒した。
 その途端、レバーの絡繰が回り、滑車に張られていた鉄鎖が
一気に緩んだ。屠殺された仔牛のように力なく吊り下げられた
ラナの身体が、自由落下同然の勢いで水桶の中に叩き込まれ、
頭頂部が桶の底に激突する直前で鎖がギッと停まった。

 バシャ……ンっと大きく水しぶきが飛び散り、少女の上半身
がすっぽり水没する。気を失っているが、反射的に全身がビク
ンと痙攣し、そして水中からぶくぶくと泡が沸いた。肺の空気
が出きって窒息死してしまう寸前に、再びヘルガ少佐がレバー
を逆に倒すと、今度はギリギリと音を立てながら鎖が引っぱら
れた。
 水面に吊り上げられたラナは、白目を剥き、開いた口からだ
らりと舌を垂らしている。失神した上に逆さ吊りの少女は、水
こそ飲んでいなかったが、肺の空気は欠乏し、鼻から喉に入っ
た水が口からドボドボと流れ落ちていた。あと二、三回もこの
水責めを加えられたら、確実に溺死が待っていることは明らか
だった。

「…お願いです、やめて、やめてえっ!何でもします、だから、
ラナちゃんを殺さないでっ!!」

 壁に大の字で拘束されたままのクラリスが、とうとう涙なが
らに懇願を始めた。この少女の存在だけが、今の公女の生きる
支えだった。その少女が眼前で拷問されて殺されそうになって
いる光景に、クラリス姫は必死で命乞いをする。

「…ふん」
 鼻で笑ったヘルガ少佐が、手にした鞭の柄を逆手に持って、
ぐったりしていたラナのみぞおちに向かって抉るように叩きつ
けた。肺に衝撃を受け、喉にたまった水をがぼがぼっと吐いた
ラナが、今度は激しく咳き込んで意識を取り戻した。

「…っ、ぜはっ!ぜっ…がはっ、が、が、がう、ぐはっ、はあ
はああっ!!」
 水を吐きながら喘ぐラナの霞んだ目に、逆さになったクラリ
スの裸身がぼんやり映った。

「何でもすると言ったわね?」
 ヘルガ少佐が近づき、鞭の柄で公女のあご先を持ち上げた。
涙をあふれさせたクラリスの青い瞳を睨みつけた親衛隊将校は、
胸ポケットから小さな鍵を取りだし、クラリスを吊すように縛
めていた手首の枷を外した。爪先立ちだった公女は、どさりと
床に投げ出された。

「それじゃ、この場で自慰してみせなさい」

「な……っ?」
 ヘルガ少佐の命令に、公女は目を剥いた。

「マスターベーションも知らなかったほどの深窓の姫君が、こ
の小娘のおかげでずいぶん癒されたようじゃないの。それなら、
学んだことをここで見せてもらいたいわ。自分の手で自分を慰
めなさい、できるでしょう?」
 冷酷なサディストの瞳が、すっと細くなってクラリスを舐め
るように見つめる。その視線に、公女は背筋を凍りつかせた。

「さあ、どうするの?やらないならそれでもいいわよ。この子
にもう少し水を飲んでもらうだけ…」

「や、やりますっ、やりますから、どうかラナちゃんを…っ!」
 慈愛深き公女は、ついにそう言った。自分の恥辱を忍び、少
女の命を救うことを咄嗟に決心したのだった。

 加虐の悦びを仮面の表情の下に押し殺し、ヘルガ少佐は勝ち
誇って命じた。
「では、床に座ったまま…足を開きなさい」

 クラリスはその命令に、屈辱に耐えながら両脚をおずおずと
開こうとした。だが、その慎みが親衛隊美女を苛立たせた。

「さっさとなさいっ!」
 その叱声と共に、ヘルガ少佐が鞭をビュッと鳴らした。

 その空気を裂く音に、公女はビクッと全身をこわばらせた。
そして意を決したように唇を噛みながら、クラリスはゆっくり
と白い滑らかな両脚を自分の意志で開き、聖なる神殿を支配者
の前に晒した。

 高貴の姫君のあり得ない淫らな姿に、ヘルガは軍服の下で肉
体を熱くたぎらせ、股間を濡らしそうになっていた。ラナも事
態を飲み込んでいたが、喉が詰まって声を出すこともできない
でいた。

 クラリスはわなわなと唇を震わせ、目を閉じ、恥辱に顔じゅ
うを真っ赤に染めながら、恐る恐る左手を股間に近づけていっ
た。ヘルガ少佐の舐るような視線を感じながら、公女はやっと
手で秘所を覆った。
 しかしそこからはどうしようもなく、クラリスの左手は掴む
ように股間を押さえるばかりだった。

「どうしたの、そんなんじゃ、自慰にならないじゃないの」
 身を固くして恥辱に震える公女に、ヘルガ少佐は冷たく嘲っ
た。
「ほら、この娘の舌づかいを思い出して、指を優しく使うのよ」
 まだ逆さ吊りのままのラナの首筋を乗馬鞭でぴちぴちと軽く
叩きながら、親衛隊将校は奇妙なほどの猫撫で声で言った。

 まだ咳き込みながらも、すでに正気に戻っていたラナは、憧
憬の公女が栗色のヘアも露わにM字に太股を開脚し、そしてお
ずおずと股間に当てていた左手をずらし、薔薇のような陰唇を
晒していく姿を、逆さまになったその目で見せつけられてしま
った。
 自分を救うためにこんな辱めに耐えなくてはならないクラリ
スの運命の苛酷さを思い、ラナは声も出せないまま切なさに小
さな胸を押し潰されていた。

 そんな少女の気持ちを弄ぶように、ヘルガ少佐はラナの顔に
鞭を当て、目を逸らさずに公女の自慰姿を見せつけるように強
制していた。
「よく見ておきなさい、一国の公女ともあろう者が、たかだか
侍女見習いの小娘の命乞いのために、自らの意志で大股を開い
て自慰に耽る姿をね。そうよ、お前のためにクラリスは恥を忍
んでいるのよね…ふふふふふ…」

 その言葉に、ラナは悲痛に歯を食いしばっていた。クラリス
の想いに思いを至らさなければ、少女は申し訳なさに舌を噛み
切っていたかもしれない。

 ラナの無事にほんの少し安堵した公女に、さらにヘルガの叱
責が飛ぶ。
「ほら、もっと気分を出してするのよっ。右手は胸に!乳首を
いじって刺激しなさいっ」

 その言葉に、クラリスは弾かれたように右手を自分の乳房に
当てて、乳首をつまみながら揉み始めた。恥辱の裏返しに、乳
首はすでに固くしこり、敏感になっていた。その蕾のような乳
首をこりこりとするにつれて、胸の奥が熱く火照ってくる自分
を抑えられなくなっていた。
 それにつれて、股間をそっと触れていた左手の指先も、熱を
帯びてくるとともにヌルヌルと湿ってくる陰唇の感触を感じだ
していた。死んでしまいたいくらいの恥辱に陥れられながらも、
身体の奥から被虐の悦びが湧き上がってくる自分が信じられな
かった。

「ああ…は…はあ…はあ、はあ…う、うう…」

 目を閉じ、眉根を寄せながら、クラリス姫は口元から呻き声
を漏らし始めた。
 その頬が少しずつ紅潮し、白い肌に汗が滲みだしてきた。
 自分の乳房を揉みしだく右手は、さらに動きを早め、柔らか
く豊かな双丘が弾力豊かに捏ねられていく。その手と肉鞠のう
ねる動きの中に、ピンク色の乳首が見え隠れし、痛いほどに硬
くなっていた。
 ためらいがちだった両脚もじわじわと開く角度が大きくなり、
ピンと伸ばされたつま先を石畳の石と石の間の凹みに当てて、
突っ張った足が小刻みに震えた。

 乳房と秘所を自分の両手を使ってぎこちなく愛撫していくク
ラリスを、親衛隊将校である美女は薄笑いを浮かべ、冷ややか
に、しかし満足げに見下ろしながら、絶対の支配者の気分を満
喫していた。
 その舐るような視線を針のように全身の素肌に感じ、晒し者
となっている自分を情けなく、そして耐え難い屈辱に押し潰さ
れる心の裏側で、痺れるような快感が波のように押し寄せて脳
裏を包み込んでいく。

『見られてる…私、こんな姿を…見られて…なのに、私…こん
なに感じて……』

 背骨に沿ってゾワッとした快感が何度も走り、その度にクラ
リスは首を振って身をよじった。
「…っ、あああっ!」
 目尻に滲んだ涙が弾け飛び、口からあえぎ声といっしょに涎
が珠のように流れた。そして刹那、自慰に耽り続けながら、ク
ラリスは戦慄した。

 自分が、ヘルガに見られて感じていることに。

『そんなはずは…そんな!』

 だが、事実だった。
 クラリスの閉じた瞼の下に浮かぶのは、ヘルガ少佐の氷の微
笑だった。冷たくも美しいその視線に全身を貫かれて、聖なる
公女クラリス姫は至福の快感に満たされていた。

 かつて、南に座す法王の都へと大公一家で表敬の旅に出た時
に、その近くにある寺院を訪れ、礼拝堂の祭壇に安置された
「聖女の法悦」の彫像を見あげた時のことを、クラリスはぼや
けた記憶の中から思い出していた。
 はるか上から降り注ぐ黄金色の光の中で、妖しい美しさの天
使が手に持つ矢に貫かれ、恍惚の表情を浮かべる伝説の聖なる
修道女…。

 その幻視の中、天使の顔が嗤った…。
 天使の手にした矢は、乗馬鞭だった。
 純白のローブは、髑髏の衿章のついた漆黒の軍服だった。

 そして法悦に浸る聖女は…。

 クラリスが自らの手で絶頂に達したのは、その時だった。

***

「アハハハハハハハハっっ!!」

 静寂と闇を引き裂くような驕慢な高笑いが、石床に倒れたま
ま腰を痙攣させて放心するクラリス姫の耳に突き刺さった。随
喜と屈辱の涙が、公女の視界を遮るように流れていた。

「…イッたわねっ!他人の目の前で、自分の手で!何て恥知ら
ずな!犬だって交尾を見られるのは嫌がるのにね!一国の公女
ともあろう者が、人前で自慰に耽る姿を曝すなんて、犬以下ね!」
 自分が命令したことにも関わらず、ヘルガはクラリスの恥辱
をさらに抉るように責め立てた。
「…それがお前の本性よ、クラリス姫。貞淑で無垢な美しい顔
の下に、鞭に打たれて悦び、痴態を見られて興奮する、ケダモ
ノの本性を隠した淫乱女なのよ!」

「いやあ、言わないで、そんなの、違う…」
 弱々しく呻く公女。

「どこが違うの?自分の左手を見てごらんなさい、その指をべ
ったり濡らしている愛液は何なの?変態!淫乱公女!」

 公女どころか人間としての尊厳すら紙屑のように踏みにじら
れ、クラリスはもう、何もかもがおしまいだと思った。絶望の
淵に追いやられたクラリス姫を、しかし親衛隊将校のサディズ
ムはさらに深淵にまで突き落とそうとしていた。

 石畳に顔を伏せて屈辱にむせび泣く公女の耳に、ドボンッ…
と水しぶきの音と、それに続いて、水にむせるか弱い悲鳴が聞
こえた。逆さ吊りにされていたラナの両脚を縛っていた鎖が解
かれ、桶の水の中にそのまま落下したのだろう。
 顔を上げられないままのクラリスは見ていなかったが、ラナ
はどうやらのたうちながらも桶から外に転がり出ることができ
たらしい。

 だが、それを確かめる間もなく、突っ伏していた公女はいき
なり荒々しい衝撃と痛みとともに乱暴にひっくり返された。ヘ
ルガ少佐が、その黒光りするごつい革のブーツで、クラリス姫
の脇腹を蹴り上げたのである。
 苦痛に喉を詰まらせたクラリスに、今度は息も継がせないほ
どの乗馬鞭の洗礼。

「恥知らず!人間のクズ!痛い目にあって、悔いなさいっ!」

「いやあ、許して、許してください…っ!!」
 またも柔肌に鞭の雨を受けて、クラリスは亀のように蹲るし
かなかった。

「…許さないわ、許すもんですか」
 凍りつくような声は、奇妙に笑っていた。
「ラナ!」
 溺死の恐怖からやっと回復しかかっていた奴隷少女に、親衛
隊美女が矢のような声を放った。
「そこの缶と、バスケットを!」

 まだ時おり咳き込みながらも、ラナは命令に従い、部屋の片
隅に置いてあった籠と、高さ数十センチほどの牛乳用ブリキ缶
を引きずるように運んだ。
 石畳に牛乳缶が当たる音に目を上げたクラリスを、ヘルガ少
佐はいきなり両手で押さえつけた。もがく間もなく、公女は両
手を同じ側の足首に手枷でつながれた。さらに、足首の手枷に
は金具で1メートル近くの鉄棒までが固定された。クラリス姫
が我に返ったときにはすでに、お尻を上に突き出して、しかも
秘所も何もかも丸見えになるまで股を開いた姿勢で、うつぶせ
に固定されてしまっていた。

「い、いや…ああ…」
 麻痺しかかった羞恥心がまた頭をもたげ、公女はもぞもぞと
身をよじり、股間を隠そうと空しいあがきを見せたが、何の役
にも立たない。陰唇も、そしてその上の不浄の菊門も露わにし
て、クラリス姫にはなすすべもなかった。
 ふと、昨夜のカールのことが、獣姦寸前の恐怖が公女の脳裏
をよぎった。もし、この姿勢で荒くれだった獣がのしかかって
来たなら、何の抵抗もできずに凌辱されてしまうだろう。それ
を思うと、公女は恐怖と絶望が背筋を走るのを抑えられなかっ
た。
 だが、クラリス姫はまだ知らなかった。それとは比較もでき
ない絶望が待ち受けていることなど。

「汚らわしい、淫乱な、恥知らずの王女さまっ!」
 クラリスの後頭部の栗毛を乱暴に掴んで、その顔をえびぞる
まで持ち上げたヘルガ少佐は、こわばった顔の公女に向かって、
この世のものとも思えない笑みを浮かべて言った。真っ赤な唇
が、邪悪な弧を描いた。
「艶やかな髪、青い瞳、白い肌…。この綺麗な外見の皮一枚下
には、どんなきたならしい汚物が詰まっているのかしらね」

 その言葉の意味が咄嗟にわからない公女をよそに、親衛隊美
女がラナの運んできたものを一瞥した。
 バスケットの蓋を開けて、中から取りだしたものは、クリー
ム色の琺瑯をひいた洗面器だった。いつもラナがこのバスケッ
トに入れて、注いだ水にタオルをひたし、いたぶられた身体を
優しく拭ってくれるのに使っていた、いつもの見覚えのある洗
面器だった。

 だが、その次に出てきたものは、いつもの水差しでもタオル
でもなかった。それは、闇の中でもきらめく反射光も重厚な、
ガラス製のシリンダーだった。1リットルは優に入る容量のシ
リンダーは、しかし注射器ではない。注射針を着けるはずの先
端は、滑らかに磨かれた肉厚の管状になっていたのだ。
 女将校は、そのガラスシリンダーの先端を、横に立っていた
ミルク缶の中に入れた。そして、その中に真っ白に新鮮な牛乳
を一気に充填した。
 
 クラリス姫も、ラナも、この親衛隊美女が何をしようとして
いるのか、はっきりとわかった。
 だが、公女が拒絶の悲鳴をあげるよりも早く、ヘルガ少佐は
シリンダーを突き上げられたクラリスの臀部の中心に向けて突
き出した。そして、冷たいガラスの先端部分が何の躊躇もなく、
公女の恥辱の肛門にズブッと埋め込まれた。

「ひあああっ!」
 ガラスの冷たさと鉱物的な固さが、直腸粘膜に染み込み、経
験したことのない異物感に可憐な公女は引きつけのような悲鳴
をあげた。そして次の瞬間、凄まじい勢いで凍てつくような液
体が公女の腸内に注入されていった。

「いやあっ、やめて、やめてえっ!」
 排泄器官に逆流するように押し流れてくる牛乳の冷たさに、
クラリスが感じたのは恐怖だった。苦痛でも、もちろん快感で
もない未分化の感触が、自分の身体の奥でじわじわと脹らんで
いく。内側から自分が侵略されている、その恐怖にとらわれ、
公女は悲痛な叫びをあげた。

 シリンダーを奥まで押し込み、一滴残らず牛乳を出し切った
のだろう。ヘルガ少佐がガラスシリンダーを引き抜いた。1リ
ットルものミルクを一気に注入されたせいで、クラリス姫の下
腹部は不自然にぽこんと膨らみ、そしてすでに牛乳の冷たさで
過敏な腸が悲鳴をあげだしていた。

「もう一本」
 ヘルガが振り向いた。
「お前がやりなさい、ラナ」
 眼前の光景にすっかりすくんでいたジプシーの少女に、その
主人がきっぱりと命じながら、ガラスのシリンダーを突きつけ
た。
「下賤な侍女ごときの奉仕に溺れるような淫乱公女のせいで、
お前は今、罰を受けたのよ。お前が溺死しかけたのは、このア
バズレ女のきたならしい性根のせいなのよ。さあ、お前の手で、
この穢れたプリンセスを浄めてやりなさいっ」

 ずっしりと重量感のあるガラス製の浣腸器をその手に無理矢
理持たされ、そのボリュームの大きさにクラリス姫の受ける責
めの厳しさを実感し、ラナは途方に暮れて震えた。これ一本だ
けでもあの可憐で華奢な公女の肉体にはきつすぎる負担のはず。
 それが二本、しかも自分がやらなくてはならない…。
 本心では絶対にやりたくないことなのは当然ながら、それを
拒絶するすべなどあるはずもなく、ラナは震える手で重たい浣
腸器の先端をミルク缶に入れて、ギリギリとシリンダーを引く
しかなかった。

 一方、石床に尻を突き出した姿勢でうつぶせに拘束されたま
まのクラリス姫は、すでに頬を真っ赤にして顔をしかめ、下腹
部に染み込む牛乳の冷たさと、それがもたらす便意に耐えてい
た。
「う……ううう…、く、うあ…はあ、はあ、は…ああ……」
 唇を噛み、ぎゅっと閉じた目に涙を浮かべ、ぐるぐる…と鳴
る腹部に耳を塞ぎたいと思いながら、公女は押し寄せる生理現
象の波に洗われている。

 その悲痛な姿に、ラナは目を伏せつつ、ためらいながらも、
たっぷりミルクを充填したガラスシリンダーを手に、公女の背
後に回った。
 もじもじと丸い二つの臀丘をくねらせ、その谷間を必死で閉
めようとしているクラリス姫は、すでに全身に不快な脂汗をに
じませている。見えない反対側の顔の方からは、時おり悲鳴の
ような呻きが漏れてくる。

「さあ、入れてあげなさい」
 冷酷な親衛隊美女の命令の声に、ラナはおずおずと左手をク
ラリス姫の尻肉に当てた。その感触にビクッと震えたクラリス
の、ヌメヌメした秘所の上にある、ルビー色に仄暗いアナルを、
ラナは初めて目にした。すでに汗と溢れたミルクで濡れている
狭穴は、奥から圧迫してくるものを抑え込もうとヒクヒクと痙
攣している。

「いやあ…やめて、お願い…私、もう…ああううっ!」
 肛門をいとしい少女に見られる恥辱と、そして双臀を押し広
げられて便意を刺激されたことの苦しさに、クラリス姫は唸る
ように懇願した。

 しかしラナには他に選択肢はなかった。申し訳なさに俯きな
がら、忠実な幼い侍女は敬愛のプリンセスの肛門に、ミルク浣
腸の先端を差し込んだ。

「…いやああっ!!もうこれ以上は、だめ、ダメぇ!」
 再びガラスの感触を直腸の入口に感じて、クラリスは首を振
って悲鳴をあげた。

 プリンセスの哀願に心の中で詫びながら、ラナは意を決して
シリンダーを押した。またも冷たい牛乳がクラリスの腸内に注
入されていく。それが、先ほどの第一弾の引き起こした便意と
正面衝突を起こし、内部で凄まじい混乱の渦を巻き起こした。

「あああ、いやああああああああああああっっ!!」

 絶叫する公女を、今度は不快な腹痛が直接襲った。膨れあが
った腹部を埋め尽くす液体が、行き場を失って美少女の腸壁を
不自然に圧迫していく。
 浣腸器を突き立てられた高貴な肛華からは、あたかも紅薔薇
の蜜が溢れるように、真っ白いミルクが隙間ににじみ、双丘の
谷間に沿ってつーっと流れて石畳に滴った。
 クラリスの苦痛を長引かせない方が良いと思い、ラナはあえ
てできるだけ早くミルク浣腸を終わらせようと、力をこめてシ
リンダーを奥まで押した。こうして、クラリス姫の腸内には2
リットルもの浣腸液が、不浄の排泄の美孔から叩き込まれた。

 命令を遂行して、自分のその行為に耐えられないかのように、
ラナが壁際にそそくさと離れると、その一部始終を眺めていた
ヘルガ少佐が、最初に籠から取り出したあの洗面器を手にして、
再びクラリスの背後に立った。そして、洗面器を公女の尻の下
に置いた。そして、怖ろしいほどの静かな声で、苦悶する美し
い姫君に宣告した。

「さあ、クラリス姫、お前の淫乱などす黒い汚物を、ここにぶ
ちまけなさい」

「いやあ、こんな、こんなあっ!わたくし、耐えられないいっ!
お慈悲を、お願い、おねがいいっ!」

 だが、その哀願の悲鳴がこの地下室に反響し終わらないうち
に、クラリス姫の肛門からは、その意志に反して、激しい勢い
で白い牛乳が噴出し始めた。恥辱と同じ、いや、それよりもは
るかに強烈な、骨盤の奥まで砕けるような排泄の快感が爆発す
るのを感じながら、クラリスは悲鳴をあげることも忘れて硬直
した。

 吹き出てくる牛乳の奔流が、異様なほどに長く続き、それが
一瞬勢いを緩めた刹那、可憐な公女の肛門から、褐色の塊がい
くつか、ミルクで白く包まれながら、むりむりっと押し出され
て、濃厚な牛乳が溜まった洗面器の中に落ちた。クラリス姫の
恥辱の排泄物が、ミルククラウンを弾けさせながら、洗面器の
底に重なっていった。
 やっと便意から解放されて、クラリスは苦痛と引き替えに、
今度は今までに感じたこともないほどの絶望感に沈むしかなか
った。人間の尊厳を欠片残らず全て粉々に打ち砕かれたことが、
排泄してしまった大便の匂いとともに否応なく突きつけられた。
 涙があふれて頬を濡らす公女は、なおも腸内に残っていた牛
乳浣腸液と、そして内容物を肛門から排出し続けていた。

 屈辱の浣腸調教がやっと終わっても、クラリスは泣き続けて
いた。洗面器の中には、褐色の固形物が数個、これも腸液でう
っすらと茶色に濁ったミルクの中に浮いていた。

 その時、ヘルガ少佐がつかつかと壁際に向かうと、悲惨さに
倒れそうになっていたラナの髪をむずと掴んだ。そして、無造
作に引っぱってクラリスの側に押し倒した。しなだれるように
倒れ込んだラナの目の前に、突き上げられたままのクラリスの
尻と、その下の洗面器があった。

「ラナ、お前も悪い娘ね。クラリスに誠心誠意で奉仕している
ような顔をしながら、こうして辱めを与えるなんて」
 邪悪な唇をニヤリと歪ませて言い放つヘルガ少佐の言葉に、
ラナは真っ青になって硬直した。
「あんなに酷い勢いで浣腸液を入れるなんて、私もできなかっ
たわ。侍女のくせに、あるじに苦痛をより激しく与えるなんて、
面従腹背とはこのことねっ!」

「そ、そんな、あたしは…」
 泣きそうな顔になって、ラナが否定しようとした。

「違うと言うの?」
 親衛隊美女の目がぎらりと光った。
 頷くラナに、ヘルガは言った。
「ならば、お前の奉仕がどれほどのものか、私にもクラリス姫
にも証明なさい」

「…え?」
 とまどう少女に、絶対の支配者として再びヘルガ少佐が鞭を
突きつけて命じた。

「その、汚らわしい、人間以下の存在になった公女の大便を、
お前が食べてやりなさい」

 含み笑いすら漏らして言い放った女将校の言葉に、地下室の
空気が凍った。
「お前が浣腸したんですもの。お前自身で片付けるのよ」

 有無を言わせぬ、その命令に、ラナは従うしかなかった。

 ラナは前屈みになって洗面器に顔を近づけた。
 ミルクで覆われているとはいえ、すでにそこには普通なら耐
え難い臭気が漂っていた。

「っ!!ラナちゃんっ、だめ、だめええっ!」
 拘束されたまま顔を必死で回し、自分の排泄物を強制的に食
わされそうになっている少女を何とか止めようとするクラリス
だった。が、ラナはすでに意を決したように目を閉じ、震えな
がらも洗面器にさらに顔を寄せていた。

 そして、ついにラナの小さな唇が、ミルクに浮いていた塊の
一つをくわえた。汚穢の塊である大便を、ラナはそのまま口の
中に含んだ。鼻が曲がりそうな悪臭を放つ排泄物を、ラナはむ
せながらも思い切って歯で噛み切った。新たな臭気と、そして
凄まじい苦みが溢れるのもかまわず、少女は大便を必死で咀嚼
し始めた。

「そうよ、もっとよく味わいなさい。憧れの姫君の、大好きな
プリンセスのウンチですもの、きっとこれ以上ないほどのごち
そうなのよね、お前にとっては」

 ヘルガ少佐のなぶるような言葉を耳にしながら、ラナは涙を
流しながらも、スカトロジーの拷問に耐え続け、少しずつ汚物
を喉の奥に押し込んだ。腸液と大便で濁ったミルクすらもすす
り、ラナは必死でクラリスの大便を犬のように口だけで喰らい
続けた。

「…汚らわしいっ、大便食いの変態小娘!」
 いきなりヘルガが叫んだ。
「お前ももう人間じゃないわ。人前で自慰に耽り、排泄までや
って人間以下に堕ちたクラリスの、さらにその糞まで食ったお
前は、人間以下のさらにその以下になったのよ!糞虫!」

 ヘルガの罵りも耳に入らないかのように、ラナはひたすら敬
愛する公女の大便を食い続ける。

「いいこと、ラナ、お前にはもう人間の食べ物は与えないわ!
お前はこれからずっと、この淫乱公女がひり出す大便だけを食
って生きるのよ!人間便器!」
 そしてヘルガは、ヒステリックにクラリスにも怒鳴るように
言い放った。
「クラリス姫、せいぜい毎日せっせと与えられたものを食べて、
長生きすることね。死のうなんて思うんじゃないわ。忠実な侍
女が飢えないように、たっぷりうんこを出してやりなさいなっ…。
ふ、ふふ…きゃはははははははははははははははははは……!」

 親衛隊将校の神経質な哄笑が響き渡る地下室に、別の声が混
じりだした。

「…あ”あ”…あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”
あ”あ”あ”っっっっ!!!」

 肺を絞り出すような濁音の悲鳴が、クラリスの喉から溢れた。
恥辱と屈辱と、絶望と悲哀が、哀れな公女の全身を貫いていた。
 

続く

 

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